このたびの台風19号の被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
被災された皆様が一日も早く平常の生活に戻ることができますようお祈り申し上げま
みなさんこんにちは、SHINです。
今日は、生活防災やレジャーの観点から川の水位の見方について解説いたします。
最近では、Yahooを開けば河川の水位と合わせて警報も見ることができます。そして、携帯にはエリアメールもくるので、川の状態を自分で判断することは、ほぼありません。
しかし、現在の水位の上がり下がりをリアルタイムに自分自身で把握できれば、より安心できます。ちなみに、私は釣り人なので川でよく釣りをしますが、数センチの水位変化がポイント選びを大きく左右します。
そんな数センチ単位の水位変化を自ら確認する方法は、ざっと以下の通りです↓
- 水位は『国土交通省 水分水質データベース』で確認する
- 調べたい地域の『最低水位』と『現在の水位』を確認する
- 上昇した水位を計算する ( 現在の水位 - 最低水位 = 上昇した水位 )
- 川に近づけるのか、それとも離れるべきなのかを判断する
最低水位を理解したうえで国土交通省のデータを見ると、簡単に現状把握と予想がたてられます。
この後、さらに詳しく解説していきます。

この記事の内容が、アウトドアをする人のためだけではなく、川のそばで生活する人達のお役に立つ情報となれば幸いです。
水位を把握する目的
水位の確認方法を知る前に、まずは水位を把握する目的を定めておきましょう。
水位の把握は、以下の2つの判断をするために必要となります。そして、この2つの視点から水位データを見ると、いろいろなことに気付きやすくなります。
- 川に近づけるのかどうかの判断
- 川を離れるべきかどうかの判断
現在の水位を確認することで、自宅にいながら釣りやキャンプのポイントを選ぶことができます。また、水位の変動を理解することで、その場を離れるべきかどうかの判断もできます。
水位の見方
水位を確認できるサイト
はじめに、水位を確認できるサイトをご紹介します。
おすすめは、『国土交通省 水分水質データベース』です。
このサイトは24時間の水位が月ごとに一目で確認でき、なおかつ過去に遡ることができます。したがって、その川の水位変動や季節ごとの水位などを知ることができます。
- 1時間ごとの水位がわかるもの
- 数日間の水位が1画面で見られるもの
- 過去のデータを参照できるもの
『現在の水位』を確認する
国土交通省のサイトを開き、『地図からの検索』というグレーのボタンをタップします↓
日本地図の画面になります↓ 確認したい地域をタップします。今回は福島県と宮城県をまたがる阿武隈川です。
確認したい地域をもう一度タップ↓
福島と宮城の県境をさらにタップ↓
ここからは、確認したいところをダイレクトにタップすると、そこを中心に画面が拡大します↓
次に観測地点を選びます↑
いろいろなマークが見えますが、水位はオレンジの三角になります。丸森町の水位を見たいので、上の図のしるしをつけたところをタップします。
詳細をタップ↑
『水位月表検索』をタップ↑
見る地域が特定されている人は、このページをブックマークすることをおすすめします↑
画面左の『年月入力』で年月を指定して検索をタップすると、以下の画面に切り替わります↓
1時間ごとに更新されますので、このページで現在の水位をご確認ください↑
台風19号の影響で、10/13 AM5:00が最高水位23.44mとなっております。

最高水位23.44mと言われてもピンとこないと思いますので、見方について更に解説します↓
『最低水位』を確認する
データベースは数字でしか表現されていないで、コレだけを見ても川の状態をイメージすることはできません。
現在の水位が多いのか少ないのかを判断するためには、
『最低水位』
を確認する必要があります。
これが分かると ( 現在の水位 - 最低水位 = 上昇した水位 ) という計算ができます。
では、宮城県の丸森町(阿武隈川)を例に見ていきましょう↓
今回は10月分しか表示しませんが、数か月間の水位をざっと見ます。そして、最も低い水位を探します。
※注意:春は雪代、初夏は梅雨の影響で、川は常に水量が多めです。それ以外の月で見ることをおすすめします。
ここ数か月の阿武隈川(丸森)の最低水位は、約14.58mです。
この最低水位と現在の水位を照らし合わせて、多いか少ないかの判断をします。

1級河川で水位が1m上昇すると、普段見えている河原はだいたい水没します。
ちなみに、10/13の最高水位は23.44mなので、
23.44-14.58=8.86m の上昇となり、ビルの3階部分に匹敵する高さまで水位が上がったことになります。
- データベースを元に最低水位を割り出します。※地域によって最低水位が違います。
- 最低水位と現在の水位と比較し、多いか少ないかを確認します。
- 川に近づけるのか、それとも離れるべきなのかを判断します。
『数字』と『場面』を照らし合わせ、より鮮明にイメージ
2019年8月11日の写真と水位をご覧ください↓
【2019年8月11日 14:00 水位:14.70m】↑
この情報から、14.70mという水位が実際にどのような状態なのかがより鮮明にイメージできます。
その都度、川を見に行くのは難しいですが、各県域に設置されている河川用ライブカメラを活用すると数字と場面の照らし合わせが可能となります

国土交通省のサイトと河川用ライブカメラが1つのアプリで見られれば良いのじゃがの~。
データから得られる主な情報
ここで補足として、データから何を得られるのか、についてもいくつかご紹介します。
- 晴れてても水位は上がる
→1級河川のように長距離に渡って川が流れている場合、上流部で大雨が降ると、たとえ下流部が晴れていても増水することがあります。
- 雨の次の日に水位が上がる
→意外と知られていないのが『雨の次の日に水位が上がる』ということです。上流部にダムや堰がある場合、雨が止んだ後にたまった水を放水することがあるので、晴れていても下流部は増水することがあります。
- 水位の上昇速度が分かる
→10/12の18時から、水位が1時間に約1mずつと、ハイペースで上昇していることが分かります。
今回は3つの例を挙げさせていただきましたが、データから得られる情報は他にもたくさんあると思います。皆さんなりに探してみてください。
まとめ
水位の見方について手順を以下にまとめます。
- 2つの目的を定めてから水位を把握する
- 各地域の最低水位を確認
- 現在の水位を確認
- 上昇した水位を計算する ( 現在の水位 - 最低水位 = 上昇した水位 )
- イメージを鮮明にするため、実際の川の状況(ライブカメラ等)と現在の水位を照らし合わせる
いかがでしたでしょうか。今回はキャプチャーを多く載せたので、情報量が多く感じると思いますが、実際に行う作業は少ししかありません。慣れると簡単に確認できるようになりますので、是非、レジャーや防災に活かしてみてください。
これからは温暖化の影響で大規模な台風が増えるともいわれておりますので、よく河川に行かれる方は、こまめな水位チェックをお忘れなく。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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