どうもです、SHINです。
以前、『蚊に刺される季節、秋』という記事で、虫除け対策などを書かせていただきました。その中で、虫除けスプレーの選び方がわからないというご意見がありましたので、今日は市販されている虫除けの成分や選び方について触れていきます。
虫除け剤について1人で調べるとけっこうな時間がかかりますので、この記事を読んで短時間で情報収集していただければ嬉しいです。

虫除けって意外と奥が深いですよ~。
成分によっては年齢制限もあるので、知識として持ってて損はありません。
前回の記事はコチラ↓
虫除け成分3種
虫除けスプレーを成分で分けると3種類に分けられます。
それは、
- 『ディート』
- 『イカリジン』
- 『天然由来成分』
です。
この中でディートとイカリジンは、厚生労働省が『防蚊対策として有効性のある成分である』と認めており、この内容については厚生労働省のホームページの中にある『蚊媒介感染症の診療ガイドライン』で確認することができます。
※2019年9月現在の情報
天然由来成分というのは、虫が嫌うハーブを主成分とした虫除けです。化学薬品に抵抗のある方に人気のようです。
では、それぞれの成分について詳しく見ていきましょう↓
ディート
第二次世界大戦時にアメリカ軍で開発された、日本で最初に承認された虫除け剤です。世界中で最も使用されている薬剤で、日本では50年以上も使用されております。
◆利用制限について
ディートは年齢制限があります。
厚生労働省のホームページによると『小児(12 歳未満)に使用する場合には、保護者等の指導監督の下で顔以外の部分に使用する。』とあります。
年齢別の使用回数は以下の通りです。
ディート含有率12%までの製品 | |
2歳以上12歳未満 | 1日1回~3回 |
6か月以上2歳未満 | 1日1回 |
6か月未満の乳児 | 使用しないこと |
ディート含有率30%の製品 | |
12歳以上 | 使用可能 |
12歳未満 | 使用不可 |
ディートを購入の際は、年齢制限について必ず確認したほうがよいですね。
◆主な特徴
- 吸血虫を撹乱し、吸血行動を阻止する効果を持つ。ようするに、蚊やダニ、ブヨが人間のどこから血を吸ったらよいか分からなくさせる。
- 衣服の上から使用できるが、繊維の種類によって変質する場合がある。合成繊維は変質しやすい。ディートは濃度が濃いとプラスチックも溶かす。
イカリジン
1998年にドイツで開発された虫除け剤になります。日本で最初に製品化されたのは2016年3月。そして、2015年に金鳥が初めてイカリジン配合製剤の製造販売承認を取得したそうです。とても新しい虫除け剤になります。
◆利用制限について
- 年齢による使用制限、回数制限がない。
◆主な特徴
- 吸血虫を撹乱し、吸血行動を阻止する効果を持つ。ようするに、蚊やダニ、ブヨが人間のどこから血を吸ったらよいか分からなくさせる。(ディートと同じ)
- ニオイがしない。
- 服の繊維や樹脂を傷めない。ストッキングやスポーツウェアの上からも使用できる。
- ディートと同等の効力を持つ。
- 現在日本で販売されているイカリジン配合の虫除け剤は、含有率15%が最大となる。
天然由来成分
ハーブ、柑橘類、スギなどの植物成分をもとに作られた虫除け剤で、その種類はあげればきりがないほどあります。天然成分で安全であると多くの方に認識されておりますが、ディートやイカリジンといった化学薬品同等の虫除け効果は無いようです。
◆利用制限について
- 製品によっては年齢制限がある。
- 直接肌に塗れるものとそうでないものがある。
◆主な特徴
- 天然成分である。
- 各植物の香りをアロマとして楽しめる製品もある。
- アレルギーに対する注意喚起がされているものもある。
選び方
人によってシチュエーションが異なり、選び方もいろいろあると思います。今回は3つの要素をもとに選び方をご提案させていただきます。
使用する場所や発汗量に合わせて選ぶ
- 山など虫が多く存在する場所で汗をかく活動をする場合
→ディート(含有率30%)、12歳未満の方にはイカリジン
- 虫の数が少なく汗もあまりかかない
→イカリジン、または天然由来成分
誰が使用するかで選ぶ
- 12歳以上の方
→どれでも大丈夫。
- 赤ちゃんや小学生
→イカリジン、または天然由来成分
匂いで選ぶ
- ニオイがしないほうがよいという方
→イカリジン(無臭)
- 落ち着く香りにこだわりたい方
→天然由来成分(アロマ)
※どの虫除け剤も必ず使用方法が記載されておりますので、用法容量を守ってご使用ください。

◆釣り人として防蚊、防虫対策をするなら
- 危険な虫がいるところへ行かない!
- 真夏でも長袖を着る!
- なるべく黒い衣服を着ない、身に着けない!
- 香水のような香りのするものは身に着けない!
- めちゃめちゃ汗をかくので、ディート(含有率30%)またはイカリジンを使用する!
もはや今回の趣旨から外れる内容も含まれておりますが、釣り人は蚊だけではなくスズメバチの脅威などにもさらされています。スズメバチに虫除けスプレーは効きませんので、黒い服を避けたり、香水を付けないなどの対策をします。
ちなみに、汗だくでヤブこぎする私の場合、迷わずディート(含有率30%)を選びます!
あと、容器が『缶』のものはなるべく選びません。真夏の車に放置するのが怖いので…(笑)
補足説明
健康への影響について
ディート
『ディート』の健康への影響を気にされている方のために、厚生労働省のHPに記載されている内容をご紹介いたします↓
- ディートを含有する医薬品等は、我が国において多くの人が40年以上使用してきているにもかかわらず、現在まで薬事法に基づく副作用報告はない。
- 米国、カナダ、英国などにおいて、販売停止等の措置を講じている国はない。
※厚生労働省ホームページ『ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について』より引用
化学薬品の利用に抵抗を感じる方もいるかと思いますが、用法容量を守って使用する分には今のところ特に問題ないようです。
イカリジン
2016年に製品化されたばかりということもあり、特に目立った健康被害の報告はないようです。むしろディートに代わる忌避剤として開発されただけあって、年齢制限もなくニオイもしないというのが特徴です。
天然由来成分
植物を使用しているため、アレルギー反応が起きることがあります。『使用者が持っているアレルギー』について把握したうえで製品を選ぶ必要があります。
このような確認が必要となりますが、化学薬品を使用したくない方にとっては致し方ないことかもしれません。
忌避と殺虫の違い
虫除け剤の説明を読んだときを選ぶときに『忌避』と『殺虫』という言葉をよく見かけると思いますので、簡単に解説します。
《忌避剤》
→ 虫が嫌がり逃げていく薬剤。虫を殺す作用は無い。『虫除け』という意味です。
《殺虫剤》
→ 人間にとって有害な虫を殺す(駆除する)薬剤。蚊取り線香は忌避効果と殺虫効果の両方を兼ね備えています。
最後に
虫除けスプレーを検討する際は、『成分と用法を理解しシチュエーションに合わせて選ぶ』ことが重要になります。

個人的にはイカリジン(含有率30%)が出てくれれば即買いですね(笑)
虫除け剤の成分が3種類に分けられることを知るだけでも、選び方がだいぶ楽になると思います。
星の数ほどある虫除けスプレーですが、この記事を参考に選んでみてください。